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歯と歯の間の歯ぐきが丸く 腫れぼったく、歯ぐきが痛い。
歯ぐきの腫れ・痛みは歯槽膿漏の典型的な症状ですので、定期的に歯科医院の診察を受けましょう。
患部に直接塗るタイプの歯槽膿漏薬を使用し、腫れをやわらげるのも一つの手ですが、歯周病・歯槽膿漏対策の基本は日々の歯みがきです。
ブラッシングケアを行う際は、歯や歯ぐきへの刺激を抑えたやわらかめのハブラシで、やさしくマッサージするようにみがきましょう。症状が変わらない、または出血を伴う場合は、歯科医院で診察を受け、日々 のケアもしっかり行っていきましょう。 -
歯ぐきが下がり、歯が長くなったように見える。
歯槽膿漏の症状を引き起こす恐れがありますので、今まで以上に入念なケアを心がけましょう。
歯ぐきがやせて下がってきた(すき間ができる)原因に、加齢や歯周病の進行、歯みがきのときに強くみがきすぎることなどが挙げられます。歯周病の進行により歯を支える組織が破壊されている場合は、そのまま放置するとつらい歯槽膿漏の症状を引き起こす恐れもあります。一度下がってしまった歯ぐきを元に戻すことは難しいですが、日々のケア次第で、歯ぐきの退縮を食い止めることは可能です。
歯と歯ぐきの間のすき間が広がると、食べ物が詰まりやすくなります。歯と歯ぐきの境目にハブラシをあて、一箇所につき約20回を目安に、小刻みに動かしてみがいてください。
歯間ブラシを使って仕上げをするのも効果的です。 -
むし歯はないはずなのに、冷たいものが歯にしみる。
象牙質知覚過敏は歯ぐきが下がり、歯の根元が露出すると起こりやすくなります。
悪化すると、ハブラシがあたるだけでも痛みが走り、歯みがきが非常に苦痛となる結果、歯垢(プラーク)を除去するための十分なブラッシングができずに歯周病が悪化するという悪循環につながります。
しみるからといって放置することも、強いブラッシングで刺激するのもいけません。しみる痛みを防ぐ薬用ハミガキを使いながら、退縮した歯と歯ぐきの境目をやわらかめのハブラシで軽く小刻みに動かして、丁寧にみがきましょう。 -
においのある食べ物を摂取していない時でも口臭が気になる。
原因のひとつに、歯と歯ぐきの間(歯周ポケット)にたまった歯垢(プラーク)が考えられます。歯垢(プラーク)がたまると、歯周ポケットが深くなり取り除きにくく、細菌が増殖してガスが発生します。
日々できるケアとしては、毎日の丁寧な歯みがきや歯と歯の間の清掃と、殺菌成分配合のハミガキやデンタルリンスで殺菌して口臭を防ぎ、口内を常に清潔することが大事です。ただ、強くブラッシングし過ぎると歯ぐきを痛める要因にもなります。それでも口臭が感じられる場合はひどいむし歯や歯周病が原因の場合が考えられるので、 歯科医院で診察を受け、日々のケアを引き続き行いましょう。 -
口内炎ができ、困っている。
回復を早めるのであれば塗り薬を利用しましょう。口内炎とは、口の中の粘膜に起こる、さまざまな炎症の総称です。
症状としては、赤く腫れる程度のものから潰瘍(かいよう)ができるものまでさまざまです。ときには、痛みや出血をともなったり、口臭がひどくなることもあります。
安静にしていれば、1〜2週間程度で自然に治りますが、回復を早めるには、口の中を清潔に保つのはもちろんのこと、刺激物を控えて、塗り薬などを利用すると良いでしょう。
女性は、ライフステージごとに歯周病になりやすい時期があります。
思春期・妊娠期・更年期では女性ホルモンの分泌が変化することによって、お口の中も大きく影響を受けます。また、月経周期によっても女性ホルモンの影響により歯ぐきに影響があらわれやすい時期があります。特にお口の中の清掃状態が悪い場合や、すでに歯周病がある場合は女性ホルモンの分泌の影響を受けやすいため、からだの健康とともにお口の健康にも十分気をつけましょう。
生理前には体調や精神が不安定になるとともに、お口の中では炎症反応が増え、歯ぐきの腫れや出血が起きやすくなります。これは排卵後、女性ホルモンであるプロゲステロンが多く分泌されることと関係しています。
初潮に伴い、炎症反応を増大させる女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが分泌されはじめ、歯垢が残っているとそれに対して炎症反応が起き、歯ぐきが赤く腫れて出血しやすくなります。
妊娠中はエストロゲンとプロゲステロンが多く分泌され、ある歯周病細菌の発育が促進されるとともに、歯周組織や免疫力に影響を及ぼし、「妊娠性歯肉炎」にかかりやすいと考えられています。また、様々な研究により歯周病と「早産」や「低体重児出産」の関係も報告されています。
閉経後の女性は、エストロゲンの減少により骨密度の低下が起き、骨粗鬆症になる方が増加します。骨粗鬆症の場合、全身の骨だけでなく歯を支えている骨の骨密度も低下するので歯周病が進みやすくなると考えられています。
歯周病は、日々の生活習慣によって発症や進行に大きく影響することが分かっており、生活習慣病ともいわれています。
歯周病ケアのためには、生活習慣をしっかりと見直すことが大切です。
歯周病は身体の抵抗力があるときには、進行を一時的に停止し、静止期に入ります。しかし静止しているだけで治ったわけではありません。
身体の抵抗力が弱まると、歯周病は、また再び活動期に入り、症状が現れ進行してきます。
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- 活動期と静止期を繰り返しながら静かに進行していくイメージ
「ビジュアル 歯周病を科学する」
天野敦雄、岡賢二、村上伸也 p.42,44を元に作成 -
- 歯槽膿漏になる進行過程
イメージ図
参考:公益財団法人ライオン歯科衛生研究所ホームページ
歯みがきのとき、少しの刺激でも 歯ぐきから出血する。
出血は歯周病の進行した状態で、歯槽膿漏の可能性が高くなっています。
歯ぐきから出血がある場合でもブラッシングをおろそかにしてしまうと、さらに症状が悪化してしまう恐れがあります。そのような時こそ、丁寧なブラッシングが必要です。
歯槽膿漏薬を使用すると症状を改善することができますが、歯科医院での診察を受け、日々のケアもしっかり行っていきましょう。